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 author : えい ×
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リリイ・シュシュのすべて

2001年製作 日本
ジャンル ドラマ、青春、映像

監督 岩井俊二
出演 市原隼人、忍成修吾、蒼井優、伊藤歩

14歳、中学2年生の2人の少年を軸に、彼らを取り囲むイジメ、売春、自殺、家庭崩壊、万引、レイプなどの過酷な現実を容赦なく抉り出して、現代日本の抱える暗部にスポットを当てた衝撃作。

岩井俊二監督3年ぶりの新作は、 期待通りの素晴らしい出来でした。
ちょっと「ダンサー・イン・ザ・ダーク」的な「世の中どっか間違ってる」系の作品ですが、ストーリーに無理がなく、演出にリアリティがある分、こちらの方がより、心に突き刺さる作品のような気がしました(もちろん個人的に)。

演技は自然で過剰に演出された所はなく、徹底してリアル。
映像は手持ちカメラと少ない照明でリアリティを出し、過酷な現実社会を皮肉るかのように美しい映像を織り交ぜています。

舞台が田舎という点も効果を発揮していると思いました。
イジメ、売春、軽犯罪などのような事件は、都会では言わば日常茶飯事。
しかし田舎でも全く同じような事が起きている事に戦慄が走ります。
特に 無垢な田舎の自然の映像と若者の残忍さと陰鬱な心の対比がより効果的になったと思います。

ただし、この作品の衝撃度は、中高生とそれ以外では大きく異なると感じました。
おそらく 中高生の方々やその親にとって、この作品は直視出来ない程のリアリティさがあり、絶望感に打ちのめされてしまうかもしれませんが、もうすぐ30歳になる僕や僕の親なんかが感じる事とはまた違うような気がします。

たしかに内容は衝撃的ですが、僕は10年近く前に集団的学校生活(高校生まで)を卒業しているので、映画の中で起きていた出来事はどうしても遠い昔の記憶になってしまいます。
昨日目の前で起きた事ではないし、明日隣の教室で起きそうな事でもなく、どちらかと言うと客観的に鑑賞する事になりました。
よってその分だけ、心への突き刺さり度は減る事になりましたし、僕が中高生の頃は周りでイジメというものがなかったので(売春は分からないけどっ)、あんなに酷い奴等がいるという事でイマイチ想像できないというのもありました。

でも素晴らしい作品でした。
演出、脚本、音楽、映像、、、すべてが実にハイレベルで芸術的。
中学生の心の奥底を表現する媒体としてネットの掲示板を使い、生身の人間に信頼を置けない代わりに、現実と非現実の間に位置するカリスマ歌手を登場させる手法も見事でした。
岩井俊二監督、やはり只者ではない!

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 author : えい ×
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